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1、紫外線について

紫外線は波長が10−400nm、すなわち可視光線より短く軟X線より長い不可視光線の電磁波である。
光のスペクトルで紫よりも外側になるのでこの名がある。
英語のUltravioletも「紫を超えた」という語(ラテン語のUltraは、英語のbeyondに相当)から来ている。
日本語では、紫外線と呼ぶのが一般的であるが、violetを菫色とも訳すことから、文学作品などでは、菫外線(きんがいせん)と呼ばれることもある。
また、英語のUltravioletからUVと略される。

赤外線が熱的な作用を及ぼすことが多いのに対し、紫外線は化学的な作用が著しい。
このことから化学線とも呼ばれる。紫外線の有用な作用として殺菌消毒、ビタミンDの合成、生体に対しての血行や新陳代謝の促進、あるいは皮膚抵抗力の昂進(コウシン)などがある。

太陽の光の中には、UVA、UVB、UVCの波長の紫外線が含まれているが、そのうちUVA、UVBはオゾン層を通過、地表に到達する。
UVCは、物質による吸収が著しく、通常は大気を通過することができない。
地表に到達する紫外線の99%がUVAである。(UVCは、オゾン層の反応で生成されるものもある)

2、紫外線の特徴

UV-A (波長315nm〜400nm)
太陽光線の内5.6%通過。
皮膚の真皮層に作用し蛋白質を変性させる。
細胞の物質交代の進行に関係しており、細胞の機能を活性化させる。
また、UV-Bによって生成されたメラニン色素を酸化させて褐色に変化させる。サンタン(suntan)。

UV-B (波長280nm〜315nm)
太陽光線の内0.5%通過。
表皮層に作用するが、色素細胞がメラニンを生成し防御反応を取る。
これがいわゆる日焼けである。
ただ、メラニンが皮膚に沈着することにより、シミが生成される。
また UV-B には発癌性が指摘されるが発癌するのは高齢者、しかも肌の露出した部分のみというケースが多い。
サンバーン(sunburn)。

UV-C (波長200nm〜280nm)
オゾン層で守られている地表には今のところ到達しない。
強い殺菌作用があり、生体に対する破壊性が最も強い。

2、紫外線の影響

人間が、太陽の紫外線に長時間さらされると、皮膚、目、免疫系へ急性もしくは慢性の疾患を引き起こす可能性がある。

UVA,UVB、UVCは皮膚を形成するコラーゲンの繊維にダメージを与え、皮膚の加齢を加速する。
一般に、UVAは危険性が一番小さいが、皮膚の加齢、DNAへのダメージ、皮膚がんの可能性等に影響を及ぼす。
UVAは、日焼けを引き起こすことはないが、UVBより深く皮膚の中に浸透し、SPFテストで測定することができない。

UVBは、皮膚がんを引き起こす。
生物のDNAは吸収スペクトルが250nm近辺に存在しており、紫外線が照射されると、皮膚等の細胞中のDNAを構成する分子は励起される。
このDNA分子の励起は、DNA螺旋を構成する「はしご」を切り離し、隣接する塩基で、チミン−チミン、シトシン−シトシン、ウラシル−ウラシル等の二量体を形成する。
これの二量体は、通常生成することはなく、DNA配列の混乱、複製の中断、ギャップの生成、複製のミスを発生させる。
これは、がん等の突然変異を引き起こす。
紫外線による突然変異は、バクテリアにおいて簡単に観察されることができる。
これは、地球環境問題でオゾンホールやオゾン層の破壊が懸念される理由の1つである。

紫外線照射に対する防御として、人間の体は茶色の色素のメラニンを分泌し、日焼けすることにより、紫外線の平均レベル(人種により異なる)を下げようとする。
この色素は紫外線の侵入を阻害し、より深い部分の皮膚組織へのダメージを減らす。
また、市販の日焼け止めローション、クリームも紫外線の侵入を防ぐ。
これらの製品では、「SPF値」「PA」と呼ばれる紫外線防御効果が記載されている。

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